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【VOL.138】はじめまして、バオバブの鈴木です

(2009/02/28 鈴木 友則 )
はじめまして、design studio bAOBab/デザインスタジオ バオバブの鈴木です。
今回、アーキテクツデスクのメンバーに新しく加わりました。ホームページもリニューアルされ、最初のコラムですので少し自己紹介を兼ねて私の住まいに対する考えなど触れてみたいと思います。

デザインスタジオ バオバブは私とパートナーである矢野の2人が共同でさいたま市を拠点に住宅設計を中心に行なっている設計事務所です。開設して8年になります。初めて会う人が気にされるのはその事務所名。よく「バオバブという名前はどういう意味ですか」と聞かれます。中には「星の王子さま」に出てくる木の名前ですね、と言っていただける方もいます。私がまず答えるのはマダガスカルにある大きな樹のことで、建材には適さないのですが、木を逆さまにしたような樹形であることから、逆転の発想をもってデザインをするという意味も込めていますと答えています。(後付けのようなところはありますけど)

前置きはこの位にして、わたしたちが設計して来た住宅を簡単に紹介しながら、現在取組んでいる課題及び今後について少し触れてみたいと思います。

私たちは主に木造を中心に設計を行なっています。工法にとらわれず、戸建住宅から住宅地計画にいたるまで住環境づくりをテーマに取組んでいます。
写真にあるのはさいたま市に建てた木造軸組工法の戸建住宅で国産杉を使用して自然素材を多く用いた住宅です。

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もう一つは敷地3,000m2の中に4棟18戸の賃貸長屋を配棟したものです。戸建感覚で住めるように専用庭のついた枠組壁工法の2階建
てメゾネット形式の賃貸住宅になっています。詳しい内容についてはホームページ又はギャラリーを参照して下さい。どちらの建物も周辺環境のつながりを意識して計画を行っています。

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自分の中では結果的にその地域の風景となるきっかけづくりだと思っていますし、住宅地のように街区単位となればそこに景観が生まれ、やがて風景となり、ひとつの環境が作られると考えています。住環境をつくることは個々の住宅をつくるだけではなく、内外のつながりが大切だと思っています。人と人がつながっていく住まい、人から人へと受け継がれていく住まいとなるように心掛けながら設計を行なっています。
住宅を設計するのは私たちの役目ですが、本当の意味での住まいを創り上げていくのは、住まい手自身の手によるものだと思います。安全・安心いただける住まいを設計し、提供するのはもちろんですが、長く住み続けてもらうためには、住まい手と設計者、そして造り手の三者が一体となって一緒に創り上げていく意識を共有することが大切です。
個人の住まいは限られた予算のやりくりが大変ですが、何事も好い加減で、ほどほどをモットーに普段の生活の中にちょっとした喜びや幸せを感じてもらえるような住まいを創るお手伝いが出来ればと思っています。

昨今、100年に1度の金融危機と叫ばれ、また温暖化問題、エネルギー問題、食糧問題と解決すべく課題が山積しています。これらの問題は直接、間接を問わず私たちの生活に様々な影響をもたらしています。建築業界ではご存知のように耐震偽装によって始まった一連の法改正が、一昨年の建築基準法の改正を皮切りに昨年11月末には建築士法が改正、今年の5月末には構造設計一級建築士、設備設計一級建築士制度が新たにはじまります。詳しくは発表されていませんが4号特例の廃止なども今後待ち受けています。加えて10月からは消費者保護の観点から住宅瑕疵担保履行法がスタートし、新築物件の売主及び請負業者に対して保険加入または保証金の供託が義務化されます。
他にも4月から省エネ法が改正され、6月に福田元首相が提唱した200年住宅ビジョンをもとに昨年12月に公布された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行されます。

法改正、新法の動きによって今後2~3年で大きく設計環境が変化するでしょうし、落ち着くまではしばらく時間がかかりそうです。今はまだ過渡期といえますが、今後も変化し続けていくと考えています。従って私たちの職能も単に設計だけが出来るというだけでなく、今まで以上にトータルバランスを考えて判断出来る設計力、管理(監理を含めた)力が求められる時代となっていくと思っています。
規制によって良質な住環境が作られるかは疑問の残るところですが、今後まだ様々な問題、課題がでてきて改善、修正が加えられて行くとことでしょう。設計者にとって大変な時期ですが柔軟に対応出来るように努力、自己研鑽は怠らないようにしなければならないと思っています。

こうした建築業界を取り巻く社会状況を踏まえ、今後取組んでいこうと考えている課題の一つには設計した住宅の「見える化」です。周知のことと思いますが、日本の家庭部門におけるCO2排出量が年々増加傾向にあるためにより省エネでかつ快適な住宅が現在求められています。従って住まいの温熱環境、省CO2化に向けて設計者としても正しい断熱・気密の知識に基づいた設計を行なうことが責務となっています。縁あって昨年立ち上げられた埼玉県すまいの温暖化対策協議会のメンバーに加わる機会を得て、微力ながら省エネ住宅の普及活動も行なっていますが、それだけでは十分とは言えません。
以前に比べ技術も研究も進み、自立循環型住宅、CASBEEをはじめいろいろな環境評価ツールが出そろい、住宅性能表示と合わせて住宅の性能を数値化することが現在では可能になってきました。すべての数字の根拠に正当性があるとはいいがたいものの、設計した建物の性能を表示することが必須条件になりつつあると感じています。実際に住宅の快適性、省エネ性能をどう数値化していくかは模索中ですが、自分スタンダードを確立して行く中で、いかに省エネルギーで、LCCO2(ライフサイクルCO2)を少なく済ませることができるか、そして快適で心地よいパッシブな生活環境を作ることが出来るか等取組んでいきたいと考えています。他にも現在、どういう立場で地域に貢献出来るか考えながら、地元の設計事務所との連携や勉強会や情報交換なども定期的に行ない、地域活動に結びつけられるように取組んでいます。
 
長々と色々な話題について書いてきましたが、アーキテクツデスクの活動を通じて多くの方が心地よい住環境を手にする機会を得ることを願い、微力ながらもできるだけがんばっていきたいと思っていますので今後とも宜しくお願い致します。 

より詳しいことを知りたい方、お問い合わせについては自社ホームページ(design studio bAOBab)を参照いただくか、またはアーキテクツデスクホームページからお問い合わせ下さい。こちらは様々な意見が聞ける場でもありますのでお気軽にご相談、お問い合わせ下さい。
 
毎日更新中(?)の私のブログ(デザインスタジオ バオバブのスクラップブック)もありますのでお時間のある時に覗いてみて下さい。こちらは生活に関する情報や住まいの情報を含め、私事などあらゆる事を書き綴っています。
 
次回はアトリエMアーキテクツの松永務氏のコラムになります。

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