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【VOL.146】<ビレッジ>医療と福祉施設の村 その1

(2009/09/17 藤田 修功 )

外観

「ロケーションと施設概要」

 富山市街地にほど近い風光明媚な田園風景を残す計画地は、北アルプス立山連峰を遠景にかかえ、雄大な山々が語りかける春・夏・秋・冬の四季の変化を感じさせるこの地は、日本海にも近く名所旧跡や文化芸術施設・温泉にも恵まれた地である。

 施設は、大きく分けて、外来及び60床の病棟を持つリハビリテーション病院ゾーンと、リビングルームや食堂・厨房から成る「デイケアホール」や、リハビリをサポートする「マシンエリア」・趣味の教室となる「園芸室」・「木工室」・「陶芸室」・料理を楽しむ「ダイニング・キッチンエリア」等の複数の施設で構成されている。

「計画とコンセプト」

 豊かな住環境と多用途な複合施設を融合させるしかけとして、「みち」・「街路」空間を創り、「センターガーデン」を中心に構築しながら、必要な生活空間を配置することで、一つの小さな生活単位である「村」・「コミューンビレッジ」を考え、実生活に根ざしたリハビリ村の提案を試みた。

 独自のみち空間として、四季の変化のあるみち、憩い団欒のあるみち、太陽のあるみち、風のあるみちを積極的に演出することで、内外に向けたオープン化の動的空間と、プライバシーが必要な静的空間のエリア分けが計られている。


広場がある受付

 しかけその1:歩いて行きたくなる場所をつくる

 センターパークを中心に曲がりくねった道に配された展望テラス・散策運動広場的な回廊や渡り廊下・趣きの異なる2つの中庭とホール・アトリウム広場・音楽や娯楽を楽しむ屋外ステージや多目的室・工作や物創りの木工室・焼き物を楽しむ陶芸室・土いじりや菜園を楽しむ園芸室・病棟内に設けた7ヶ所の憩いの広場等を計画した。


アトリウム

 しかけその2:地域住民とのコミュニケーション広場として

 周辺地域住民との交流の場としてビレッジへのアプローチエリアに地域交流室を配し、センターガーデンに面したリビングテラスやお祭り広場を介して、外部から人を招きいれやすくした。


アトリウム

 しかけその3:楽しそうな場所と景観を取り込む

 道行く人々が遠くからビレッジに近づくにしたがい、異なる角度に配置された建物が変化しながらセンターテラスを視線に捉えることで、楽しそうな場所を感じさせる演出をした。また、全室個室の病棟や食堂は、北アルプスの山並みを眺める2階に集約し、素晴らしい借景をなるべく各病室に取り込み、入居者に安らぎと活力を感じてもらえる配置とした。


デイダイニング

 しかけその4:人が主役の人車分離と増築の未来形

 アプローチエリアの一部とバックヤードゾーンを分離し、来場車・サービス車のゾーンを限定化することで、施設利用者が中心となる、人・車分離動線とした。また、将来的な時代の変化にも対応可能な増改築にも配慮し、みちを増殖変化させることで比較的簡単に増改築に対応出来る計画とした。


園芸棟

 しかけその5:木造民家と現代建築の融合性から安らぎと力強さを引き出し、光と風を溶け込ませる

 通所デイケアゾーンや園芸ゾーンは、大空間であるにもかかわらず、古民家を思わせる大断面木構造のトラスシェルターから差し込む光の変化を感じさせながら、安らぎの「静」と大胆な木造トラスが見せる「動」から活力を感じさせる構法を計画し、自然素材の持つ「力」を生活の中に取り込む空間演出を形成した。


夜景


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