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【VOL.152】木とともに暮らす住まい

(2009/12/19 湯浅 剛 )
 木とともに暮らす住まい

自宅を建ててはや7年がたちました。

自宅では、天竜から杉の構造材を産直し、手刻みで骨組みをつくりました。
また長野産のカラマツ厚板に、自然素材系ワックス(アウロ)を塗装して、床、天井を仕上げています。壁はAEP(塗装)や、珪藻土左官仕上げだったりしますが、基本的に、杉の柱、梁とカラマツの床材が、室内の湿度を調整してくれるので、年間を通して快適に暮らすことができてます。

実際に「木」の家に住んでみると、さまざまなことが実感できます。前述の調湿作用だけでなく、床材ひとつとっても、夏はほどよくヒンヤリして、冬はほどよく暖かい、そして何より柔らかいので素足で歩いたり、寝転んだりするにも最適。木が水分を吸収するので、皮膚が触れてもベタつかずさらっとしているので、気持ちがいいのです。(ウレタン塗装されていると駄目ですが)


 ただ自然素材であるがゆえに、年間を通して伸び縮みがあるので、目地に隙間ができたり、柔らかいがゆえに傷がついたり、といったマイナス面もあります。ただ人工的な素材は年数とともに、ただ汚れたり痛んだりしていくのに対して、自然素材の場合は、それが経年変化として味わいに変わっていくという考えかたもあります。最近室内で犬を飼い始めたので、傷がかなり増えてきていますが、なにせ厚み30mmの無垢の板ですから、もしどうしようもなくなければ削ればいいだけ。と考えると、それほど気にはなりません(たぶん削らないと思いますが)犬にとっても足腰に一番優しい素材ではないかと思われます。

 

適材適所で、国産材を活用する

最近は、環境問題の側面や国内林業の衰退がクローズアップされています。これはひとごとではなく我々自身の問題だと感じています。
構造材はできれば、国産の杉やヒノキで建てたいものです。最近は、プレカットが一般化し、産地(製材所)→プレカット工場→工務店というように、かなりシンプルな流通形態も一般化しつつあります。ほとんどが輸入材といっても過言ではなかった木材市場の状況が、石油価格の高騰で外材が一時高値になったことや、環境問題などによって、価格も以前ほど輸入材との差がなくなってきているように感じています。
建主の考え方、そしてコスト、建物形態など。。いろいろな状況を加味した上で、構造材をどうするのか、適宜考えるようにしています。柱材は必ず杉材にはしていますが。。

 

床、壁、天井などの内装材について。。以前はその質感や色味が好きで、米松の床板をよく利用していましたが、最近は、なるべく国産の床板(壁、天井板)を使うように心がけています。

 

上の写真は最近よく利用する国産無垢床材です。
それぞれ見た目の違いだけでなく、長所短所があるので、その都度使い分けるようにしています

 

左上:サワラ材(埼玉産)

左下:杉材(埼玉産、静岡産)

左から2つ目:カラマツ材(長野産)

右から2つ目:アカマツ材・板目/節有(岩手産)

右:栗材(岐阜産)

 

床板には最近よくカラマツを使います。杉よりも固いので、椅子を使う住まいには適しています。赤みがやや強いのも特徴です。白系が好みの場合は、節が特徴的なアカマツもなかなか良いです。杉はコストメリットがあると同時に、最も流通量が多い材になります。源平(赤、白のまざった材)が嫌いでなければぜひ利用したい材です。栗材はこの中で唯一の広葉樹です。最も耐久性があり、床暖房などにも適した落ち着きのあう床材です。どの材の場合も年数がたつと赤みが増して、暖かい印象になるので、それもまた楽しみのひとつかもしれません。

 

 


カラマツの床板と、壁・天井(野地)板にもカラマツを利用した住宅。

 

水に強いサワラ材を浴室に利用した事例。

 

杉やヒノキを構造材に利用し、また適材適所で仕上げ材にも利用できれば、かなりの木材を利用する事になり、二酸化炭素の封じ込めにも貢献できます。ただあまりたくさん取り入れすぎると、暗く、重く感じる場合もあるので注意が必要。バランスよく白い壁と木の壁(天井)を取り入れたいものです。

コストだけを追求すれば、結局中国産などの製品にたちうちできません。ただ国内にこれほどまでの森林資源がありながら、わざわざ外国から石油をたくさん使って木材を運んでくることに、どうも違和感を感じています。
自分たちの環境をまもるためにも、国産材の活用を意識してくれる人が少しでも増えてくれればと願います。

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2018/03/05 17:58 | 20
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