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【VOL.156】<ビレッジ>医療と福祉施設の村 その2

(2010/02/26 藤田 修功 )
「リハビリテーション病院ゾーン」
 アプローチの車寄せロータリーは、歩道と分離し、1階のピロティーと2階のガラス張りで透明感のある展望テラスを介して、来場者の視線が中心コアとなるセンターガーデンへと向けられる様に計画した。
 病院棟は、パブリックゾーンと一体感を持たせ、施設利用者・外来者・訓練者・スタッフ等の動きのある姿が半透明的な空気の気配を感じられるようにし、お互いが日常的な動きの中でも「活力」を得られる様な「生活の場」を意識した計画としている。
 共有のパティオホールからは、病院と通所リハに動線が分かれ、病院棟は風除室を入ると、総合受付ホールと直結した待合い広場となり、中庭ガーデンと外部ガーデンを見渡せ、外来・来院者の緊張を和らげてくれる。
 センターガーデン側の「回廊式みち」を介して外来ゾーンがあり、来院者は迷うことなく自然に「みち」に誘導されたその先には、リハアトリウム広場と趣きを異にした姿の待合い広場が現われ、スタッフステーションとエレベーターホール・機能回復訓練室ゾーンへと導かれるスムーズな動線でありながら、単調になりがちな動線廊下から「散策のみち的」な積極的に楽しめる回廊動線計画とした。
 機能回復訓練室は、セミオープン的な配置を意識しており、開放的な明るさと必要なプライバシーを確保する為、東側の田園風景を取り込める様配置し、パブリックゾーンとは回廊のみちを緩衝帯としてレイアウトしている。
 リハアトリウム広場は、中庭を介して機能的なスタッフゾーンと連動させており、サービス動線やスタッフ駐車場への出入口、学童保育ゾーンへと繋がっている。
 2階の病棟ゾーンも1階と同じく周辺の田園風景を積極的に取り込む様に、平面形を外に向けた任意の角度で構成し、「散策のみち」ポケットパーク的な中庭と吹き抜け・8つの異なる広場「街的」なる形態を持たせることで、人が集まる色々な広場に変化と社会復帰への活力を呼び起こさせる様な平面計画を意識している。
 各室は全室個室となっており、ほとんどの個室・広場・食堂から北アルプス連峰が眺められ、その他の個室は中庭などを介して浴室も含めてプライバシーを確保している。
スタッフステーションを病棟のセンターに配置することで、機能動線の簡略化・仕事環境の向上も計られ、吹き抜けを介して1階のアトリウム広場と一体化させることで、施設全体の「街並み」に目が行き届くように計画している。
 アプローチ上部のガラス張りの展望テラスは、生活リハの憩いの場としてオープンな空間でありながら、通所リハや厨房への生活動線も兼ねた多目的なみち空間としての意味合いも込めている。

「デイケアゾーン」
 デイケアゾーンと病院ゾーンとは、センターガーデンを中心にした共有のアプローチパティオと回廊式の渡りのみちで繋がっており、デイケアは「四季のみち」をメインストリートにしつらえ、日常的な住環境を再現したリビングルーム+前庭+音楽室にもなる多目的室、食を楽しむためのキッチンに連動したダイニングルームや、美容理容エステを楽しめるコーナー等が配されており、全てのゾーンからセンターコートや前庭・中庭と一体化された計画としている。

「建物に自然の森を再考」
 「四季のみち」には、自然の森の中を歩いているようなイメージを再考すべく、木造大断面トラスを森の「幹と枝」に見立て、上部のトップライトから光を入れて森の中に差し込む「太陽の木漏れ日」を連想させる「光と影」を演出している。
 また、同様の効果を園芸棟にも再現し、あたかも森の中での土いじり・草花の手入れ・野菜作り農園などの菜園を楽しめるように演出している。この様な木構造を目的に合わせた混構造の考えは、未だに未開発な部分も多く、今後共、人間性の再現を呼び起こすひとつの手法であることに確信と期待を持って可能性を探りたいと考えている。
 また、四季のみちの一部にはマシンスペースがあり「通りすがり」に気軽に体を動かすことが出来るようにしており、その先には木工・陶芸室がセンターガーデンに面してあり、渡りのみちと人間回帰の園芸棟へと「みち」は延びている。

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