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【VOL.195】 住まいを取り巻く住宅産業の背景。

(2012/12/21 松永 務 )

我々の住まいは、それぞれのご家族のための一品生産。

そのメンテナンスは、設計者と

その住まいの施工者に委ねられます。

 

東京時代の工務店も、先代が亡くなられて二代目に、

廃業に伴い、別の工務店へ。

いろいろなケースをサポートしますが・・・。

 

静岡に来て、16年。

こちらでの施工者は、まだまだ健在ですが、ここにきて

先月、今月と私の住まいでの直接の仕事関係はないものの、

いろいろな意味で情報交換やお会いしていた

静岡・浜松老舗の企業が、相次いで民事再生や倒産。

 

建築業界は、再来年の消費税増税に向かって、

駆け込み需要があるでしょうし、

すでに大手ハウスメーカーでは、

来年のその時期は施工が集中して受けられないかも・・・、

という煽りも使いつつ、前倒し受注が多いと聞きます。

 

どちらの会社も外からは、健全だと思っていただけに、

ちょっと言葉に詰まります。

 

コツコツと真面目にものつくりを進めていく、

よく言われる、日本の技術力・町工場のように、

それだけでは、評価されにくいこともあるでしょうし、

自助努力が大前提ではあるのですが。。。

 

我々の住まいを取り巻く環境を考えてみますと、

新設住宅の着工戸数、100万戸超が続いていましたが、

現在は、83万戸あたりで、その減少は続くでしょう。

それでも、世界的に見えればその着工数はトップクラス。

他方、ちょっと古い資料ですが、2003年では

世帯数4700万世帯に対して、ストック数は5300万戸、

つまり、600万も以上は住宅が余っている計算。

この状況は、1968年から始まっていますので、

実に、40年以上はあまり続けています。

それでも、新設住宅が100万戸以上という状態が、

最近まで続いていました。

 

この理由は、中古住宅流通が極端に少ないから。

この中古住宅流通シェアは、イギリス88.8%、アメリカ77.6%、

フランス66.4%に対して、日本は13.1%。

新設着工住宅116万戸に対して、

中古住宅が売れたのは、わずか18万戸。

 

日本でも、ここ10年あまりは、

品確法、瑕疵担保履行法、長期優良など、

住まいの性能の高耐久・高断熱・省エネなどの高品質化が進み、

受け継がれる住まいとしての性能が担保されています。

 

しかし、そこに住まう家族の将来を、

ある程度、しっかり踏まえて計画していかないと、

住まい続けるには、厳しいものがあります。

 

ひとの平均寿命とすまいの居住寿命、

住まい手と受け継ぐべき家族との関係、

これは、介護と密接に関係してきますが、

我々を取り巻く社会環境を、見つめ直しながら、

新築か、リフォームかを、

あるいはどのように受け継いでいくかを、

考えていかなければなりませんが、

これが非常に難しい、しかし考えなければなりません。

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