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【VOL.203】そうだ!ユニテ・ダビタシオンに泊まりに行こう!!

(2013/07/13 鈴木 友則 )

デザインスタジオ バオバブの鈴木です。
本格的な夏を迎え、暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
こまめな水分補給を忘れずに、熱中症にはご注意下さい。

 今回は、昨年末にTGVに乗ってマルセイユからリヨン、パリと巡ってきた際に、マルセイユでコルビュジエ設計のユニテ・ダビタシオンに宿泊したので、レポートしたいと思います。

フランスを訪れたのは実に10年ぶり、10年前とは変わらない風景がありつつも、時の流れを実感した旅でした。
今回、マルセイユは初めてでした。
マルセイユへの直行便がないため、パリを経由していくわけですが、自宅を出たのが朝の5時半頃、11:05成田発の飛行機に乗り、現地時間午後の4時頃、シャルル・ド・ゴール空港に到着、それから2時間半以上待って、マルセイユ行きの国内線に乗り換え、マルセイユ・プロヴァンス空港に到着したのが夜の8時過ぎ、日本時間でいえば出発翌日の午前4時過ぎ、ここまでの23時間近くかかっていることになります。
久しぶりの海外旅行、体力も若いときに比べればなくなって来ているのを実感しつつ、少々、疲れての到着でした。
しかし、ここが目的地ではなく、更に、この日宿泊すべく、ユニテ・ダビタシオンへと向かわねばならない。
空港に到着したとき、マルセイユの空港には雨。
まずはバスに乗って、中心部のマルセイユ・サンシャルル駅を目指します。
駅に着くと、時間も遅いのでタクシーに乗って、ユニテ・ダビタシオンへと向かいました。
無事到着して、部屋に荷物を下ろしたのが現地時間の夜の10時過ぎ、実にドア・ツー・ドアで換算すると1日以上かかっての到着でした。
直行便がないと移動時間がかなりかかることをあらためて身にしみました。


豪華客船のメタファーであるユニテ・ダビタシオン。
どことなく大海原に浮かぶ豪華客船にも見えてきます。
それにしても敷地贅沢に使用したつくりになっています。
最初に条件の一つに法規に縛られることなく、自由に設計させてほしいといったそうだから、とにかく自由にデザインしてできたもの。
しかし完成するまでは、いろいろ大変だったようだから、自由といっても難しい問題ですね。

ちなみにユニテ・ダビタシオン内にあるホテルの名前は「ホテル ル・コルビュジエ」といいます。
ここには2泊しました。1泊目はそのまま寝る感じだったので、建物内の探索は翌日に。
(旅にはアクシデントが付きもの? ホテルに到着早々、ドキッとするようなことがありました^^;)


東側立面
屋上庭園1
外観3(1)


このピロティが建物を支えています。


壁面にはモデュロールがかたどられていました。
この建物には全体で寸法を15しか用いなかったそうですが、よくわかりませんでした^^
アインシュタインはモデュロールを「それは悪を困難ならしめ、善を容易にする比例音階だ」といったそうです。


西側メインエントランスとキャノピー
キャノピーはまるで飛行機の翼のようであり、建物のデザインとは異なった要素が表現されています。


エントランスロビー

エントランスロビーの奥にあったモデュロールをデザインしたステンドグラスがありました。

ここで簡単にコルビュジエとユニテ・ダビタシオンについて簡単に触れておきます。
コルビュジエは近代建築の巨匠といわれたひとりであり、「近代建築の五原則(新しい建築の5つの要点)」(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面)を提唱、モデュロール(人体の寸法と黄金比から作った建造物の基準寸法の数列)を考案し、建築界に多大な影響を与えた建築家であります。一般の方でも、その名前は聞いたことがある建築家の一人かもしれませんが、多くの方はもしかしたら知らないかもしれませんね。
一応、日本にもコルビュジエが唯一携わった建物があります。それは上野の国立西洋美術館本館で、コルビュジエが基本設計を行い、弟子の前川國男・坂倉準三 ・吉阪隆正が実施設計・監理に協力し完成させました。重要文化財に指定されています。
数年前に世界各国に建っているコルビュジエの作品をまとめて「ル・コルビュジエの建築と都市計画」ということで、世界遺産への登録を目指したことが、ニュースになったことは記憶に新しいですね。結局、各国の足並みが揃わず、見送られましたが、現在でも一応、暫定リストには残っているようですね。
ユニテ・ダビタシオンはコルビュジエが設計した大型集合住宅で、日本語では住居単位と訳されますが、1階にはピロティ、屋上には屋上庭園、コルビュジエ考案のモデュロールに基づいて設計され、主張してきた建築、都市、人間の集団生活についての理念を実際に形にした建物で、マルセイユのユニテ・ダビタシオン(1952)は、彼の設計した中でも重要な建築物の一つにあげられています。
規模は高さ56m、幅24m、長さ165m18階建て、全337戸、最大約1,600人が暮らすことができる巨大な集合住宅で、1人向けから4人向けまでの23タイプの多様なユニットが立体的に組み合わされています。
住戸はメゾネットで、エレベータは3階ごとに停止し、中間階の7階、8階及び屋上には、共用施設が設けられています。
また7階、8階には、店舗や郵便局等があり、屋上には保育園、体育館、プール等があります。



屋上庭園 スポーツジム棟と排気筒
この排気筒を見ると、ガウディのカサ・ミラをふと思い出しました。


プールと集会室


スポーツジムへの階段


屋上庭園から見た東南方面の景色
周辺に隣接して高い建物がないため、360度見渡せます。
ただ手摺壁が高いので、あまりよく見れませんでした。


ホテルのレセプションとレストランの入口
その横にはちょっとした
(コンビニのような)お店がありました。

その先にあったモデュロールの壁

レストラン内部
奥にレセプションのカウンターがあります。

ミニマーケット
といってもちょっと殺風景な印象ですが、
たまたまなのかもしれませんけど書店が1店舗やっていただけで、オフィスは閉じられているようで、閑散としていました。

照明器具


これ以降建てられた集合住宅は少なからず、このユニテ・ダビタシオンが原型になっているといってもいいくらい、影響を与えた建物です。
マルセイユ以外にナント・ルゼ(1955)、ベルリン(1958)、ブリエ(1959)、フィルミニ(1967)の計5棟が建設されました。
現在では世界遺産にまで登録しようという建築物ではありますが、当時はかなり反対運動やら悪評をいわれた建物でした。

しかし築60年でも現役であり続けている現実をみれば、建築というのはその時代のニーズを満足し、時代精神を反映するだけでなく、未来を見据え、建築家自身の理念、信念をどこまで建物に表現しきれるか、また使う人たちが愛着を持つことが出来るかによって、残されうる建物が出来てくるような気がしました。


今回泊まった部屋
他にも1人用の狭い部屋もあります。

旅行に行くと必ず部屋のレイアウトや測れるものは実測してスケッチに残しています。
(部屋を実測するためにメジャーを持って行ったのですが、この部屋を測っている途中で、こわれてしまい、その後のホテルの部屋は実測することができなくなってしまい、レイアウトだけになってしまいました^^;)


部屋の鍵はこれまたモデュロール
そういえば、古いのか部屋の鍵をかけようと思うとなかなかかからなかったなぁ。何回かけなおしたことか。。。


 
今回泊まってみての印象は、設備的な古さは否めませんでした。2泊目はお湯が出なくなり、シャワーが水しか出ませんでした。
ただ今回、コルビュジエの設計したユニテ・ダビタシオンに宿泊することが出来て、その当時の息吹を少しでも感じられたような気がしました。
あとエレベターが停止する階と建物の実際の階数がことなるためちょっと戸惑う場面もありました。

作品集や雑誌等でしか見たことがない建物は多くあります。
実際目にすることで、その印象は変わりますし、実際の周辺環境との関係性もわかります。

当時の時代背景や都市化に伴っての立地条件が異なってきている中で、現在、コルビュジエが存命であったならば、同じ敷地に同じ建物を設計するだろうか、もしくはまったく違った解答を出してくるだろうか、などと思いを馳せながら、今回の旅が始まりました。

マルセイユという街も自分がイメージしていた南仏とはまた違った港町という雰囲気でした。
この旅はリヨン、パリへと続きますが、この続きはまたの機会(あるかわかりませんけど^^;)といたしまして、今回はこれにて失礼いたします。


 

コメント

 最近、売れっ子建築家が彼の設計した建物や計画についてあからさまに中傷している記事を読み、なつかしいなあと感慨にふけりました。
 実は小生、学生時に三大巨匠の中で、彼の建築思想だけ理解不能でしたので・・・
 次回のレポートも期待しています。
2013/07/16 10:28 | えいちゃん
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