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【VOL.221】空き家問題を考える

(2015/03/29 鈴木 友則 )
 デザインスタジオ バオバブの鈴木です。

今年も3ヶ月があっという間に過ぎ、春本番を迎え、ソメイヨシノも開花し上野公園あたりは花見客でにぎわっている様子。今週末辺りは満開という感じでしょうか。

先日、平成25年住宅・土地統計(確報集計)が公表されました。平成25101日現在における総住宅数は5年前に比べると304万戸増の6063万戸、空き家数は63万戸増の820万戸。空き家率は0.4%増の13.5%となりました。820万戸の空き家の内訳としては一戸建てが300万戸、長屋が45万戸、共同住宅が471万戸、その他が3万戸となっています。
また増加した空き家63万戸のうち、8割が一戸建てとなっています。


出典:「平成25年住宅・土地統計調査報告」(総務省統計局)
出典:「平成25年住宅・土地統計調査報告」(総務省統計局)


都道府県別で見ると空き家率が最も高い県は山梨県の17.2%、次いで四国4県が16%後半で続いています。また空き家率の低いのは宮城、沖縄、山形、埼玉、神奈川と続いています。低いといっても10%程度の空き家率になっています。

単純に空き家率の高い低いで判断するのは難しいですが、都道府県別で各総住宅数の増減率を見て行くと、首都圏を中心に愛知や兵庫などのいわゆる三大都市圏では増加傾向にあります。

しかし埼玉、千葉、東京、神奈川の空き家数は合計すると200万戸を超えており、空き家全体の1/4が首都圏に集中、東京だけ見ても全体の1割を占めています。

空き家というとどうしても少子高齢化に伴い、過疎化している地方を想像しがちでありますが、ボリュームとしては都市部の方が多く存在している。

 

こうした問題をふまえ、昨年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立し、今年の226日に一部施行されました。

国土交通省と総務省は空家と判定する目安をとして1年間にわたって使われていないこととし、建築物等の用途、建築物等への人の出入りの有無、電気・ガス・水 道の使用状況及びそれらが使用可能な状態にあるか否か、建築物等及びその敷地の登記記録並びに建築物等の所有者等の住民票の内容、建築物等の適切な管理が行われているか否か、建築物等の所有者等によるその利用実績についての主張等から客観的に判断することが望ましいとしています。

 

また空家等のうち「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適 切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる」もの

を特定空家等として市町村が所有者に除却や修繕を指導や勧告、命令できるようにしています。

なお特別空家等に対する規定は今年の526日施行となっており、その判断基準はこれから公表されるようです。

 

空き家問題は様々な諸事情があり、なかなか難しいのですが、そもそも空き家が増加する背景には空き家であっても建物を残しておいた方が固定資産税の特例によって、固定資産税が住宅一戸につき200㎡以下の部分については1/6、200㎡を超えた部分については1/3に軽減される仕組みになっているためだともいわれています。先日閣議決定された平成27年度税制改正の大綱では「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく措置の勧告の対象となった特定空き家に係る土地については対象除外の措置を講ずるとしました。つまり固定資産税が6倍に跳ね上がるということになります。

 

日本は一度作った法律や制度等は、なかなか変更されず、いつのまにか時代遅れになっているものが多くあります。固定資産税の特例についても住宅不足を解消するねらいもあって作られた制度であって、それは同時に日本経済、景気同時に住宅産業界を牽引してきたかもしれないけれど、成熟期にあっては方向転換せざるを得ないし、転換してすぐに空き家問題が解決の方向に向かうわけでもないと思う。

一方で一時期の勢いはないものの毎年80万戸を超える住宅が新築され続けており、このままでいくと空き家率が2040年には40%となるという数字も目にする。


現在はフローからストックへの過渡期にあり、アメリカのような中古市場が出来上がって、ライフステージに会合わせて住み替える環境が整うまではもう少し時間が必要だと思う。
ただ2020年の東京オリンピックまではなんとなく東京周辺は上昇ムードを社会的に演じることになるだろうし、その裏で直面する問題に関して、設計者として何ができるのか、何をしなくてはいけないのか、考える時期に来ているし、考えなければいけない。個人ではなかなか大きなことはできないが、少しでもその解決の一助となることができればと思う今日この頃である。。。。。

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