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【VOL.75】北京住宅事情

(2009/01/22 松永 務 )
夏、あるプロジェクトの視察で北京を訪れる機会を持ちました。

2008年の北京オリンピック2010年の上海万博に向けて、急速な経済成長を遂げる中国社会を体験。
かつて日本の高度成長期がそうであったであろうと想像されるパワーがみなぎっていましたが、それと同時にその弊害も垣間見ることができました。

北京中心部にそびえる52階建てホテルからの市内。

右手に高層マンションとオフィスが建ち並び、その左手には平屋から5階建ての古いアパート群。こうした新旧の建物が道を隔てて共存しているのが現在の北 京。しかも右手高層群の後ろには、まだ広大な空き地がプロジェクトの始動を待っている様子。とにかく、至る所で大規模高層建物群が建設中です。

北京のど真ん中でこうした大規模開発を可能にしているのは土地の所有権はすべて国にあり、立ち退きが簡単、と言いますか、強制的にできてしまうこと。ちょっと、私たちの感覚からは想像できません。

住まいについては、ステータスとして高層マンションに住むことがあげられます。販売は、すべてスケルトン、つまり躯体と設備のみで販売さ れ、入居者が内装をおこなうのが一般的な方式となっています。また、そこに設けられているバルコニーのほとんどにはサッシを取り付けて内部にしてしまいま す。エアコンも、外部に露出して設置されドレインはそのまま垂らしてるのも多く見かけます。高層マンションの外観に下からズラッと室外機が並んでいる光景 はちょっと信じられない感じ。

では、戸建住宅はどうかと言いますと、日本とは違って別荘に近い感覚。

つまり、普段は市内のマンションに住まい、週末にこの住宅に住むという感じでしょうか。そういう生活をする人達は、やはりお金持ち。

左の写真はその住宅群ですが、まさしくアメリカの街並み。セキュリティゲートをくぐって塀に囲まれた住宅団地に入ると、そこには別世界が広がります。

こうした住宅にはすべて地下室とドライエリアが付いていて、シアタールームやジムになっています。そして、これらが販売面積には入っていない点も驚き。つ まり、ご覧のような80坪~120坪の住宅には20坪~50坪の地下室が付いていますがあくまでも、地上階だけの面積で販売されること。
地階はタダということに・・・・。

これらの住宅はRC造で創られ、内装は入居者がおこなっています。

中国では木造で建てる方が高くなってしまいます。

こうした住宅は、地方の農村部から都市流れてきた月収5~7000円ほどの人が、その工事現場に寝泊まりして建設。道路工事ですと道路脇にテントを張ってそこで生活をします。


13億の人口、その貧富の差がそこここに目の当たりにできる今の中国。


極貧層と呼ばれる、年収10,000円以下の層が6500万人も居るそうですが、そうした意味では北京や上海は中国ではない別世界と呼ぶべきかも知れません。

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