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【VOL.78】もっと頑張ろう公共事業~応援歌~

(2009/01/22 高橋 隆博 )
今回のコラムは、私達の生活環境「まちづくり」における行政の取組みの現況について、我々建築家の「ものづくり」の視点から度々感じる事柄を書こうと思います。

ここ数年、都市計画や街づくりに関する様々な行政の委員会に参加している事は以前のコラムで触れましたが、その中で今年度末でひとつの終末を迎えつつある委員会を例にとってお話しする事に致します。



計画全体
広場

 川崎市宮前区、東急田園都市線鷺沼駅の間近に位置する鷺沼配水所(宮前区の水は主にここから供給されています)の上部に昭和43年に開設来、永く 市民や周辺地域に親しまれた「鷺沼プール」が平成15年3月に廃止条例が議会で可決されました。それに伴い、跡地利用として大きく4分割(水道局施設=配 水管理施設、広場(運動公園)=配水施設上部、小学校、福祉施設)された事業決定がなされ、行政各局で検討が始まりました。(今回はその決定内容自体や縦 割り行政についてはあえて言及しませんが...)私はその中心に位置する広場(運動公園)整備検討委員会へ委員並びに運営委員として参加をして参りました。

この整備事業は、近年川崎市が取組み始めたパートナーシップ事業(行政+学識経験者や企業+市民および町会,自治会,各種市民団体の3者が共同で検討,推進する、公共事業としてある種望ましい形態)を水道局が初めて採用した直轄事業であります。

総勢50人を超える委員会は2年間に渡り検討委員会の開催11回、17回の運営会議、4回に及ぶ公開ワークショップの他、祭り,イベント等での市民アン ケート、近隣諸団体(町内会,子供会,老人会)および周辺公園利用者へのヒアリングを積極的に展開しながら「基本構想案の策定」および「基本,実施設計へ の意見の繁栄」を行うにあたり、随時、広報やHPにて市民へ公開と共に意見徴集に勤める一方、隣接事業との有効な一体的再開発とする為の関係各局(教育委 員会、健康福祉局)との連絡調整や要望等々.......と濃密且つ広域な活動となりました......。




(おーっと失礼しました)内容が堅苦しくなってきましたが、要するに近年の行政も変革の努力をしつつあると言う事です。市民の声や参加を汲み取ろうとするスタンスは確実に芽生えて来ています。(少なくとも従来の公共事業を知る我々から見るとですが..)当委員会における水道局及地元宮前区役所の担当各々には頭が下がる思いです。

一方、今後も縦割り行政の弊害(一般的に言われている不合理以外にも)は当面否めない事も事実で専門各局での総合的な事業や開発は滅多にお目にかかれま せん。(最近は皆無とは申しませんが)各々が別々に同じ様な事をばらばらで行ったり専門外の事柄をしていたり.....(今回も水道局が広場の企画,建 設,運営まで行う様な.....)

最後にもう一点、建築家の私にとって最も府に落ちないことがあります。(特に公共施設の創造において)それは先ずは「A=何のために何をどうつくるか」です。もう一つ、「B=完成後の利用,運用,管理はどうするか」を計画の早い段階からの具体的な検討がなされない事であります。本来、Bによって創るものも作り方も変わるはずであります。(委員の皆さんにはこの事でだだをこねて御迷惑をお掛けしました)

残念な事に、こと公共事業では当然「つくる人」と「管理,運営する人」は違いますが、後者が企画設計段階にいないどころかソフト面でのコンセプトもない事 が多い事であります。(ものが出来てから後者の発足という最悪のケースも...)全国各地に点在する悪名高き公共建築(事業)の多くは........。


 
今回のコラムは決して行政批判ではありません。むしろ努力を始めている行政へのエールであります。

そして我々市民としても、より注目していかなければ光明は見えないのです。
あのヨーロッパのスポーツクラブチームのサポーターの様に!

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