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【VOL.93】近作の紹介_狭小地RC住宅

(2009/01/22 澤近 泰之 )
皆さんこんにちは。

今回のコラムはすっかり失念してしまい、データ提出が遅くなりました。お許し下さい。
それにしても時間の経過が恐ろしく早く感じるのは、半世紀を越えた歳のせい?

さて今回は、未だ外構工事の最中ですが狭小地に建つ地下1階、地上4階建、鉄筋コンクリート住宅のご紹介です。

今回のクライアントは、お互いの子供達がそろって同級生というご縁で、家族付合いをさせていただいているご近所のお友達家族である。3年前拙宅でのホームパーティーで、なにげなく家の建替えの相談をいただいたことがきっかけで、設計をさせていただくことになった。

設計にあたりクライアントよりいただいた予条件は、「車椅子のハンデを持つ母親が快適に生活できること」「コンクリート打放しのシンプルな外観」「シンプルアンドモダンでクールなインテリア」というものだった。



吹抜のあるLDK


コンクリート打放し外観.

敷地面積23坪、建築面積14坪の5層住宅

通常の2~3階建ての住宅と異なり、法的制約やコスト的制約が重くのしかかる。

ことに住宅における様々な法的緩和規定は、3階建てまでしか想定されておらず、5層の戸建て住宅に至っては元々想定外でることを痛感した。

その1例をあげると、地下のドライエリアは「コの字」型の建物に囲われ、パティオを構成するプランで、ドライエリア上部4層は構造的に吹抜けになっている。

上層階ではその吹抜けにグレーチングの床をつくり、建築面積をまぬがれつつバルコニーの機能を確保するというよく使う緩和。

ところが某調布市役所は、グレーチングの床は、1層までで、2層以上の場合は建築面積に算入する様にと指導あり。
そんな解釈知らなかったのは「私だけ?」と思わず絶句。協議をするも最後は伝家の宝刀よろしく「内規です」と建築主事=法律でジ・エンド。

少なからず憤りを感じたものの、そこは悲しいかな内規に対抗する術をもちあわせない設計者。

実は術は鉄工所を営むクライアントがもっていた。引渡し後、少ししてうかがうと素敵なグレーチングのバルコニーが各階に取りついていた。

もちろんDesigned by Sawachikaであるが。


グレーチングバルコニー

設計をスタートしてから完成まで3年が経過した。ほんとに様々なことを経験した3年間だった。

引渡しを終えクライアントの予条件を満たせただろうかと思うとき、残念ながら果たせなかったことが一つあった。

設計期間中にクライアントの最愛の母親が他界され、悲しみの中1年近く設計を中断し、その後大幅な設計変更を重ね先月の竣工を迎えることが出来た。

もし、快適な住まいと感じてもらえることがあるとすれば、それは亡き母親から家族ヘの贈物なのかもしれない。

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