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【VOL.94】「昨今の木造住宅の落とし穴」

(2009/01/22 高橋 隆博 )

 2005年も残すところ一月たらず、色々と今年を振り返る季節になって参りました。

巷では「流行語大賞」たるものが発表されますが、建築を取り巻く社会においても、毎年毎年
「流行語?」ともいえる言葉がもてはやされています。

ここ数年でいえば……輸入-、アジアン-、新和風、2世帯住宅、都市型住宅等々のデザインや形態に関することから、高耐久(高寿命、100年住宅)、高 気密高断熱、健康(自然)素材、次世代(省エネ)住宅等々の性能に関わることばまで…….どれもこれも、まぁよく使われてきたことばです。

今年を振り返るとやはり、アスベストから耐震(免震、制震)、スケルトン-インフィルなどが「大賞」にノミネートといったところでしょうか。
(ここに来て、構造計算書の改ざんや民間検査機関がニュースを賑やかせて居りますが……)




少々この流行?の流れを解説しますと…… 

バブル期贅沢を知り、グローバルに広がった選択肢の中で「個性や豊かさ」建物や設備の高性能化によって追求し続けるのですが、時世環境問題や省エネへ関心が移行すると、人々は身体や心の健康心のゆとりを再認識し始めます。高耐久高寿命という意識も資産価値と環境問題の観念が混ざり合いながら将来的な有用性へと変化しはじめると、バブル期とは資産価値の音色もかわりつつあります。また阪神の震災の頃に注目された強度等、防災や防犯面での「安心」を求める意識は最近のリバイバルといって良いでしょう。



 
でも皆さん、ちょっとおかしいと思いませんか?


上記はどれも至極当たり前の事ばかり、流行りことばとして半年から一年で「ポィッ!」次ぎから次ぎへ…… 
これは感心出来る事ではないのですが、、、、、

実はこれはファッション界の流行と同様(決してファッションの流行を否定していません)、大半は供給者側とマスコミとが広めているに過ぎないのです。単な る営業文句や話題性として使い回している感が否めないのです。流行や話題性の中で、上辺だけをかじっただけの未熟で安易な供給者の営業文句や、建築のプロ ではないので仕方がないといえども、一般に影響が大きいだけにマスコミ(得に近年氾濫してきた雑誌やTV)の取り上げ方には目に余るものがあります。(専 門誌の中には当然有意義なものはありますが)




しかしながら、悪い事ばかりでもないようです。

バ ブル後、供給者のエゴとしか言い様が無いものや価値観(机上論だったり、文化や環境の本質が見えていかったり)もありました。特に将来的な活用を睨んだ新 しい価値観への動き等は、スクラップ&ビルトに代表されるこれまでの曲った意識(文化形成をも妨げていた)の変革に対し歓迎すべきものでしょう。

また、一般の人々が容易に多くの情報に触れられるという事も大切な訳で(ひとつふたつの情報に惑わされないように)、「流行語?」が生れること自体その現れのひとつとすれば、この10年20年と建築を取巻く環境も随分良くなっているのでは…………と気分を楽にして、今年はそろそろ私も年末モードへ切り替えます。

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