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【VOL.110】 「 建築をとりまくプロ~その職能と料金~ 」

(2009/01/22 高橋 隆博 )
平成19年、正月気分もどことやら……

私にとって当デスクのコラムが本年の文筆第一号となります。
そこで少々厳かな気分で参ります。(緩んだ顔と腹を引き締めて)

昨年末とある会合で問題にあがったものに近年の新しい業態があります。
それは、「設計コンペ」形式を用いたある種の仲介業的な新種と言ってよい業態で、ここ数年Webのひろまりと共にその数が増えています。

今回の私のコラムでは、この主催側の業態、運営方法、専門的なスキルや参加側(設計者、施工者)のスキル等やそのあり方自体の良否を問う事よりも、そこ で出て来た様々なお金の流れを基に建築(住宅)全般を取り巻く様々な業種とその料金について語ることに致します。

 先ず一般に家を建てる時に必要な作業とは(人それぞれケースバイケースではありますが) 

ア>資金計画(融資や税務関係)
イ>土地探し及び取得
ウ>建築計画(設計)
エ>施工(建築工事)
オ>行政等への許認可や登記を含めた申請関係、
カ>その他(引っ越し,祭事,家屋等の保険加入……etc)

これに対して各々にはこれを専門の業とする業態が存在します。

ア>税理士、会計士(金融機関)
イ>不動産業者
ウ>設計事務所
エ>建設業者
オ>設計事務所,司法書士,土地家屋調査士
カ>引越業者,神社仏閣,保険業者……etc

一方、ハウスメーカーや設計施工業者等は ウ>エ>オ> を一企業で行い同族企業で イ> を業としたり(逆もあり)、ア>オ>カ> の手配や紹介とある意味で全般的に網羅していると言って良いでしょう。

  本来、家造りを全て建て主さんがご自身で行えば問題はありません。しかし現代社会の私たちの生活によっては免許関係から物理的不可能な行為を除いてもその 多くを委託して行っています。決してそれは建て主の怠慢ではなく以下を求めて……という豊かな現代社会ならではの自然なことと思います。
(特段私は熱烈な自然懐古経教?やセルフビルド教?の信者ではありませんので)

A>自分でやるより質の高いもの=技術&ノウハウを買う
B>行為にかかる時間や労力の軽減=時間&手間を買う
C>責任を買う

それぞれのプロの職能に委ね、代償としてそれぞれに見合う料金を支払います。

 では、各々専門業者の存在する現代。建て主さんは家を建てるにあたり何が大変なのでしょうか……。
それは言うまでもなく、専門業者と言えどもその職能や料金はピンキリ(プロとは言い難い)でありその選定から始まり、それらと渡り合わなければならない事です。

そこで、ア>イ> からウ>エ>オ> を紹介されたりその逆パターンから始まることがあります。
ここでの問題は紹介とは時としてバックマージンが存在し(これ自体全てが問題とは言いませんが)利権や営利が絡むと純粋な紹介(建て主の為に)を見抜く事が難しいことが言えます。

そこで全ての煩わしさを買うという点においてハウスメーカー系(設計施工)の選択はある意味賢明で実際に多いのが現状です。(但し、この場合は逆に本来のウ>エ>のレベルや品質の当たり外れは否めないのは先般言うまでもなく、また一見安価に見える価格のマジックも、営業や企業維持の利益はしっかり確保=実際の建物に係るコストは数字以上に低い。)その着工数の多さに比べての満足度が上がらないのも実情。

 では我々設計事務所の業とは……
設計はもとより建て主側に立って他専門業者をコントロールする監理業務でも代金を頂く上で、他のア>イ>エ>オ>業 種とは唯一立場が事なる点で一番!……と本来なら声を大にするところですが、正直なところ設計事務所は数あれどスキル、ノウハウ、機動力の当たり外れは大 きいと同時に個人的な相性も重要で、幸運な出会い次第というのも日本全国の設計事務所の数と物件数の割合をみても残念ながら否定出来ません。

 一方で種々の場面で遭遇する一見お得な「サービスで(無料)」という行為の怖さです。
社会経済のある種常識(無料=責任は取らない)を加味しなければならないのは当然ですし、蓋を開けるとボランティア風のひも付き?だったり……以外と多いものです。

 「それじゃぁ?結局わからない!」と諦めるのは早いです。

 そこでこの多岐にわたる領域や専門業者をコーディネイトする業種が近年増えています。
これは医療の分野でも具合が悪い時に不得手のあるどの病院で診てもらうかというそれに近い領域であり、建築分野でも商業系では一昔前からプロデューサーや コーディネイター(ブローカー)等、名称こそ数あれど業態としてある意味市民権を得ています。

さぁ、ではその住宅分野では……、コンペ形式やコーディネイト形式、既存分野でプロフェッショナルになりきれなかった者からバックは既存分野(建築系)企業や大手企業の運営まで様々。

ただ注意が必要なことに、中立的なスタンスを取りながらも設計や施工の紹介先からのバックマージンが収益で運営(=紹介先との利害関係)であるとか、物 件には責任をとらない業態であったり、紹介先のレベルを見抜くスキル不足だったり、レベルの低い紹介先しか集まっていなかったり等々……が少なくないとい う事実を認識した上で建て主は活用される事が今しばらくは必要であるということです。ともあれ、この種の業態もひとつのメニューとして有意義なものである 事は事実です。

今後、真に建て主に立ってスキルを発揮でき、逆に建て主から直接コーディネイト料をもらいその代わり責任をもった水先案内人的企業が増えることを期待して やみません。それに値する分野なのですから。

 あ~随分長くなり失礼しました。



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