【VOL.115】本当の意味のリフォームとは?
(2009/01/22 松永 務 )
皆さん、こんにちは。アトリエMアーキテクツの松永です。 トップページにもありますように、私はひょんな縁、といいましても一方的なるテレビ局からのご指名を受けまして、かの名文句 『何というこ とでしょう』 を生み出した、大改造!!劇的ビフォーアフターに三度出演するという貴重な経験をさせていただきました。 番組放映後は、かなりのコンタクトを頂くわけですが、一口にリフォームすると言いましても、なかなか一筋縄ではいかないのが現状です。 今回は、その問題点を少し整理して、皆さんの判断の一助としていただければ、幸いです。 まずリフォームを考えるときの段階として、大きく3つに分けら れるように思います。 1.生活環境の変化に対応するための内装や設備の更新を目的としたリフォーム。 2.来たる大地震に備えて、最低限、倒壊しないような耐震補強を前提と するリフォーム。 3.大地震に遭遇しても、その後住み続けられる住まいを目指すリフォー ム。 ケース1.生活環境の変化に対応するための内装や設備の更新を目的としたリフォーム。 これは、基本的な構造が現在の新耐震基準に適合した建物ということが前提になると思います。 つまり、1981年(昭和56年)の新耐震基準以降に建設された築25年以内の建物ということが一つの目安になります。しかし当然のことながら、内装を剥 がした後に構造、主に接合部や筋交いが手順通りに施工されているかを目視でチェックすることが大事です。また、既存壁を撤去して広い空間にする場合は、撤 去後の耐力壁の壁量で構造計算をし直し、追加の補強をすることになり ます。 ケース2.来たる大地震に備えて、最低限、倒壊しないような耐震補強を前提とするリフォーム。 これは、築26年以上、或いは兎に角古い建物で、早急に耐震補強する必要がある場合ですが、予算の制約から大々的な補強まで手が回らないケースが考えられます。 実は、この建物での依頼が非常に多いのが現状です。基礎自体がない、外周のみ基礎があるが無筋(鉄筋が無い)で内部の床下は土の状態、基礎は一応あるが現在の基準に適合しない。 いずれの場合も基礎からやり直す必要があるのですが、そこまで予算はかけられない。ではどうするかといいますと、上部構造が倒壊しないよ うに筋交いを増やしたり、構造用合板を貼り込んで、在来を箱のように補強して倒壊しないように工夫します。また、屋根が瓦の場合は金属板 に変更して柱・梁にかかる荷重を軽くしてやることも有効です。現在、 免震・制震ダンバー式の製品が数多く出ていれ、これを利用するのもあるでしょう。しかしながら、これですと木造部分は大丈夫でも、基礎が破壊されるので、 地震後に建物にダメージが残り、その後住み続けるには 再度基礎補強をおこなうことになります。 つまり、資産価値はそこでなくなってしまう可能性があるわけです。 ケース3.大地震に遭遇しても、その後住み続けられる住まいを目指すリフォーム。 これは2.のケースで、基礎・木造部分併せて補強をおこなうことで、地震後も住み続けられる資産価値の残るリフォームをおこなうこ と。 言葉を聞けばこれが一番と誰もが思われるでしょうが、これではかなりのコストを覚悟しなければなりません。 通常、リフォームを考える場合に新築するのとどちらが有利かと検討すると思いますが、 ビフォーアフターでおこなわれる物件の大半は、リフォームし か選択肢がありません。 これは現在の建築基準法に適合していない既存不適格建物と呼ばれる住 宅が多いからです。実はこうした住まいは、東京都内の住宅密集地域と呼ばれる地区に数多く存在しています。公道に2m以上接していない、本来の道路に接し ていない(私道、無接道)、建て替えると大幅 に建物を小さくしなければならない(建坪率、容積率超過)。これら は、1950年(昭和25年)の建築基準法施行前に存在していた築57年以上の建物に多く見られます。 このように、リフォームを取り巻く状況は複雑であり、上述の1.のようなケースの方が稀であるかも知れません。 しかし、逆に1.しか頭になかったということも多いのです。 さて、皆さんの目指すリフォームとは、どれにあたりますでしょうか。
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耐圧版:新設の基礎と耐圧版の配筋。 | ![]() |
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構造補強:既存の壁・柱に加えられた筋交い補強。 |
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