Architects Desk Home > COLUMN > 【VOL.123】見る側に立つということ/米国野球場事情より

【VOL.123】見る側に立つということ/米国野球場事情より

(2009/01/22 松永 務 )
私が常に考えていることは、建て主の目線で住まいを捉えること。
この当たり前のことが、昨今はなかなか実践されていない世の中ではありますが、このことは何も住宅に限ったことではなさそう、と いうのが今回のお話し。



これまでに数えるほどしか球場に足を運んだことしかない熱烈なカープファン(笑)といえるかどうかは別にしまして、最近はめっきりメジャーリーグを見ることが多くなって しまいました。
松坂と松井稼のワールドシリーズは言うに及ばず、野茂のトルネード旋風は早13年前の話。
日本のスターが海外に渡って外国人選手との勝負にワクワクするのですが、訳はそれだけではないのです。

イチローの本拠地、シアトルのセイフィコ・フィールド球場。
久しぶりの野球観戦で胸躍らされたのは、イチローが4安打 、城島が2安打、そしてマリナーズ勝利という本編ではなく球場全体の雰囲気づくりの巧みさ。観客がいかに楽しめるかに主眼を置いた舞台づくりができている。

まず、球場全体の造り。
ほぼ円形に近い そそり立つ外壁の穴から入るという日本的な感覚ではなく、あくまでもエンターテイメントの舞台へのアプローチ。外観もまったく予想外で、グランドへの期待 感が高まる長い階段と大きな選手の写真。

セイフィコ・フィールド球場 セイフィコ・フィールド球場


中へはいると・・・、という表現が適切かどうか。
グッズや飲食を販売するプロムナードが客席を取り巻いているのですが、これが常 にグランドを見渡せる関係に。

写真の左側に見えているのが そのグランド。
日本では一端客席の裏へ回って、という感じでグラン ドが見えなくなるのと比べると、大きな違い。
これだと、買い物を楽しみながら観戦も途切れない。

さらに、新鮮なのはグランドとの一体感。
とにかく、選手が近いといいますか、まさにその目線で試合観戦。
セイフィコ・フィールド球場


セイフィコ・フィールド球場 何やら酔っ払いの赤顔をお見せして申し訳ありませんが、私の横にイチロー選手。

この合成写真のようなアングルの写真は、日本では絶対に撮れません。

最前列で手を伸ばせばグランドに触れ、ネットも無し。

当然、観客は試合に集中しないとファールボールは危険。しかし、そのボール目当てでグローブをはめている人の多いこと。
 


見る側に立ったしつらえ、ユーザー側に立った目線。
今の日本に、もう一度取り戻さなければならない精神ではないでしょうか。

コメント

コメント

ニックネーム

Column

Comments

Tag