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【VOL.133】近作の紹介 - 初物づくしの家

(2009/01/22 澤近 泰之 )
昨年は6月20日改正建築基準法が施行されました。

建築確認申請業務で大変な混乱が続く最中、設計コンサルタントとして業務提携する他社の住宅1件の建築確認申請を8月に民間審査機関に提出し、今年3月末、無事引渡しが完了した。

色々な面で初めての体験となるプロジェクトだった。


初物その1:防火地域内における3階建て木造耐火建築物

防火地域内において3階建て、200m2超の規模、耐火建築物が要求される中、工期や建築コストを重視する理由から木造耐火建築物を採用することになる。
これまでにも何度か計画段階では浮上したことのある木造耐火は、現実のプロジェクトとしては今回が初めてだった。折しも基準法の改正を1ヶ月後に控えた昨年5月にプロジェクトはスタートした。  

耐火被覆を考慮したモジュールの考えかた、初期の段階より設備計画を強く考慮したプランニングの進め方、申請に必要な添付図書等、いつもと勝手が異なる設 計業務に若干戸惑いながらも、8月には何とか確認申請事前相談(民間審査機関)にこぎ着けた。

木造とあるものの、その実態は石膏ボードによる木部構造体の完全な被覆によりインテリアにおいて木造を感じることは殆ど無く、その仕上り感は、鉄筋コンク リート造や鉄骨造のそれと変わるところは無い。

エクステリアは外壁のモルタル下地吹付や勾配屋根等により、住宅らしい木造の柔らかさをいくらか表現出来たかもしれない。このような木造耐火建築の特性を 考えると、今後防火地域や商業地域における住宅、店舗併用住宅や、店舗等、工期や施工性の点から採用するメリットは多いと思う。

ただ普及に今一つ伸び悩みが見られるのは、他の耐火建築物に対して、建築コストの差別化がまだ実現できていないことに一因があるのかもしれない。



初物その2:法改正後の構造計算建築物

法改正後の確認申請は、今回のプロジェクトが初めての試みであることに加えて、3階建て構造計算物件という、正に未体験ゾーン突入といった状況だった。

従来の感覚で申請したところ、申請書類、意匠、設備、構造に関する指摘事項は恥ずかしながら、100項目近くに達し、悪戦苦闘しながらも、事前相談から約 2ヶ月後の10月には確認済の取付が完了した。やはり法改正直後の混乱を実感させられることとなった。

そのほか、クライアントはご主人が外国人、奥様が日本人の素敵なカップルで、いつも奥様の通訳で楽しい雰囲気の中、打合せが進行するのだが、1度だけ、奥様が体調をくずされ同席いただけなかった時がある。
タイミングの悪いことに最終図面説明の時だった。本当に説明になっていたのだろうかと思い出す度に脂汗がにじむ。

本当に素晴らしいクライアントと出会えた事に感謝している。




ご主人のこだわりのキッチン

 


ライブラリーコーナーのあるリビング

吹き抜けリビングからダイニング

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